木津未来会議は、木津町に住む一人一人の人が、それぞれの思いで木津町の未来を考え、それぞれの言葉で語り合うことを目的とした、市民のネットワークです。

 行政や企業など大きな力が主導する地域づくりでもなく、しっかりした規約や綱領をもつ『組織』が語る地域変革でもなく、カリスマ性をもったリーダーの心地良い言葉に動かされる『あるべき地域像』模索でもなく、ここに暮らす人々の何気ない不便や、発見や、願いをもとに、新しい地域コミュニティの可能性について真面目に考えていこうとする人々のネットワークです。

木津町は古い歴史を持った町ですが、私たちニュータウンで暮らす者にとっては、「人工的に作られたベッドタウン」というイメージが色濃い街でもあります。でも、街が拓かれて10余年。「帰って寝るだけの街」から「ここで暮らし、生活を楽しむ街」へと、そろそろ住民の気持ちの方向を変化させる時期にきているのかもしれません。

「ここで暮らし楽しむ街」として地域を見つめ直した時、いろんな?が沸いてきます。
例えば、学校から帰ると遊ぶ間もなく場所もなく、家でゲームをするか塾や習い事に走って行くという子どもたちの姿が見えます。この地域に児童館も図書館もないのは何故なんだろう?もし子どもたちが集う場があれば、高校生が、小中学生に勉強やスポーツやダンスや遊びを教えたりするようなこともできるのに…。中高生の音楽活動や社会活動の拠点を提供することもできるのに…。そこが、お年寄りや、地域のおとなのボランティアなど、さまざまな活動の情報の発信地になるかもしれないのに…。そんなスペースがあれば私たちの地域の新しいネットワークが生まれるかもしれない。

私たちの住む木津町の、この地域の、明日の姿を想像することは、ここに住む人々の地域ネットワークを広げて行くことでもあります。行政や企業が与えてくれる「街」という入れ物の中でただ生活するのではなく、自分たちの暮らし振りをまず考え、そこから街づくりを考えて行く。そのことを通して地域の人々の新しい人間関係が築いていけるのだと思います。
例えば、ニュータウンの小学校ではPTA活動を従来通りの形ややり方ではない方法で行っていこうとする気風があります。子どもたちの今その時に大切と思われることを、PTAという既成のイメージに捕らわれることなく教師と親が一緒になって考え行動していく。PTAという組織形態すらとらず、そんな活動を行っている学校もあるくらいです。
また、自治会活動などもそんな可能性をもって進められています。集合住宅では、補修工事の計画を住民の話し合いによって決定して行くということが展開されています。企業優先の管理体制から、住民主体の管理体制へ発想が変わってきているのです。そして、そういう活動の中で、これまで希薄だった人間関係が少しずつ深まり始めているのも事実です。

住民自らが、自分の住む町に責任を持ち、未来の姿を模索する時、そしてそれを声に出し語り合う時、この街に新しいネットワークが生まれ、育って行くのではないでしょうか。


TOPページへ