くれは くれはまゆみです。3問質問します。
  1問目は、「非婚の母に所得控除を!」です。
 夫との死別や離別によってシングルマザーになった女性に適用される寡婦控除
 という所得控除があります。これは、いうまでもなく、所得税法により定められている制度です。

  これは、子どもを抱える戦争未亡人の救済のため、1951年に導入されたもののようです。
 その後改正を繰り返し、対象者も拡大され、所得条件はありますが、一人で子育てする父親
 も対象となりました。

  しかしながら、婚姻届を出していない母いわゆる「非婚の母」には適用されません。所得税法第
 2条30項で「寡婦」とは法律婚を経由したことのある者と定義されているからです。

  その結果、寡婦控除が適用されない「非婚の母」の世帯では、夫と死別・離婚した母子世帯
 と比べて所得税の負担が大きくなるだけではなく、住民税や保育料、公営住宅の家賃、国民健康
 保険税などの算定で不利益が生じると言われています。
 
  平成23年の「国民生活基礎調査」によると、全世帯の平均総所得が538万円に対して、母子
 家庭の平均総所得はその半分にも満たない252万3千円、そして、非婚母子世帯は160万円
 という数字がだされています。非婚の母が経済状況はとても厳しいと数字が示しています。

  日本弁護士連合会(日弁連)ではこの問題を重視し、「非婚の母」に所得税の寡婦控除が
 適用されないのは、「憲法に違反して人権侵害に当たる」とする調査報告書をまとめ、今年1月
 に是正をもとめる要望書を総務省に提出しています。そこで聞ききます。5点。
 
 @寡婦控除の適用の有無が、住民税や保育料、公営住宅の家賃、国民健康保険税などの算定に  
  影響を及ぼしますか、及ぼさないですか。
 A市の非婚の母の件数を把握していますか。
 B実際に非婚の母に対して、みなし寡婦控除を採用している自治体はありますか。
 C非婚の母は対象外とされている制度、不公平であると思いますか。思わないですか。
 D市でも非婚の母の保育料、幼稚園の費用、市営住宅の家賃などについて、寡婦控除をみなし
 適用をすべきではありませんか。
 以上お答えください。


総務部長 
   くれは議員の1問目の1点目の質問にお答えします。
  市・府民税において、寡婦控除は所得控除の対象として所得割税額に影響するほか、寡婦控除の
  対象者は、木津川市税条例第24条第1項に基づき、合併所得金額が125万円以下の場合には、
  均等割も含め非課税となりますので、市・府民税に影響があります。

   次に、3点目の質問にお答えします。
   市民税については、地方税法等の法令に基づき賦課するものであり、自治体で独自に所得控除を
  している事例は承知していません。

   次に、4点目の質問にお答えします。
   市民税については、地方税法等の法令、また地方税法等の法令の範囲内において定める木津川市
  税条例に基づき賦課するものであり、市で同時に所得控除をすることは難しいと考えています。
   また、他の料金等についても法令の定めに基づく制度に係る事例でありますので、国において必要
  な措置を検討されるべきと考えます。


保健福祉部長

    くれは議員の質問にお答えします。
    まず、1点目です。
    保育料は、児童の属する世帯の父母の所得税額及び市町村民税額により算定しております。
   所得税額は、所得額から各種所得控除を差し引いた課税標準額に税率を乗じて算出しますが、
   寡婦控除は所得控除ですので、年末調整や確定申告において控除の申告をされた方については、
   保育料の算定に反映されることになります。

    市町村民税についても、所得税と同様に寡婦控除が適用されますので、保育料の算定に反映
   されています。また、国民健康保険税については、影響を及ぼすことはありません。

    次に、2点目の質問にお答えします。非婚の母の件数については把握していません。
    3点目の質問にお答えします。みなし寡婦控除を採用している自治体の数については、把握して
   いません。

     次に5点目の質問にお答えします。保育料は、国において保育料徴収の一定基準が示されてい
    ますので、この基準に合わせて保育料を算定しています。従いまして、今のところ非婚の理由による
   寡婦控除のみなし適用を行うことは考えていません。


設部長
     くれは議員の質問に答えます。まず、1点目ですが、市営住宅の家賃については、寡婦控除の適用
    の有無が家賃算定に影響を及ぼします。

     次に3点目ですが、市営住宅については、近隣自治体において寡婦控除のみなし適用を実施して
    いる自治体はありません。

     次に5点目です。市営住宅については、公営住宅法施行令に基づき、所得税法に規定のとおり実施
    しており、現在のところ非婚の母に対して寡婦控除のみなし適用を行うことは考えていません。


教育部長
    
 くれは議員の5問目に答えます。幼稚園費用につきましても、国の施策方針のもとで必要な 
    措置が図られるべきと考えています。


くれは
  通告がなんだったのかと思うほど、あまりにも答弁がきちんとされていない、非常に憤慨します。
     そして、このことは、自治体独自で取り組んでおられる自治体があるわけです。
    みなし寡婦控除。 それも数は知りませんというような答弁をいただいています。非常に議会での議員
    との政策論議があまりにも後ろ向きです。それをまず指摘しておきます。もう情けない。その上で再質問
    します。 

     まず、最初に。びっくりしたんです。「件数は把握していません」、そうおっしゃいました。実は、この問題
    は、6月議会の最中にいろいろ調査をしていました。そこで、子育て支援課の担当とお話しをさせていただ
    いたときには、件数を把握されていました。それはなぜ把握できるのか。児童扶養手当の受給者に限られ
    ますけれども、そこで一つ一つどういう適用で児童扶養手当が支給できるのか要件確認がありますよね。

     そこに「非婚」という項目があるはずです。だから、6月の時点では私は数字を聞かせていただきました。
    本当に数字を知らないのですか。


保健福祉部長
  
 ただいまのくれは議員の質問にお答えします。
    非婚については、自らの意思で婚姻されていないため、市では把握していないと私は答弁しました。児童
   扶養手当における未婚の世帯は30件です。

    非婚の定義づけについては、私も議員よりは勉強していないかもしれませんが、個人の意思として結婚し
   ないことを選ぶ事になっていると思いますので、今その件数は知らないと答弁したわけです。未婚の件数に
   ついては、議員ご指摘にように、6月議会の段階で元課から30件という話はしたと思います。


くれは  本人が選択しようとしまいと、それは子どもの側からとってみたら、結婚していない間で生まれた子ども
    さんであることには変わりないのですよ。それは30件ですよと。聞きました。では30件でいいですね。

      ちょっと余りにも議論ができないので、まず市長に。私はこの4点目でしたか、不公平であると思います
     か、思ワないですかと尋ねました、。それについては、一切「国がすべきである」そんな答弁しか聞かされ
     おりません。質問がかみ合っていないのです。再質問しなくてはいけない。質問がここからするのかと
     びっくりですが、、その上で、市長に聞きます。その前にお伝えしますね。

      最初に、総務部長が答えていただきました。125万円以下の場合は、均等割りも含め、非課税となるの
     で、市・府民税等に影響がありますと。その他、保育園とか公営住宅は、国保は違いましたね、影響します
     と答えていただきました。じゃあ、その上で、具体的な数字で影響額を示して議論したいと思います。

      前年の所得が125万円以下の場合、住民税が非課税ですよね。お子さんがひとりいると仮定しましょう。
     この所得が125万円以下というのは給与収入でいうと、204万円4千円未満となると思いますが、この寡婦
     対象の場合と寡婦の対象外、今言われてた30名の方にその方がおられるかもしれない、の場合、住民税
     、所得税にどの程度の差となるか、昨日担当に計算してもらいました。数字をお伝えします。

      寡婦の対象の場合は、市・府民税 住民税は非課税だからゼロ円ですね。対象外の方は、府・市民税が
     なんと9万3500円かかる。所得税は、寡婦対象の場合は、2万6000円、対象外の方となると4万3500円。
     つまり、合計額では、寡婦の方の場合は2万6000円、それに対して対象外の方jは13万7000円支払わな
     いといけないなるわけです。その差年額11万1000円という大きく開きを生じます。

      この差異をお伝えして、実際に子どもには親が結婚しているかどうか、していないかどうか選べません。
     そういう意味からしたら、この取扱の差、所得税法の問題ではありますけれども、市長は不公平だと思われ
     ませんか。それを聞きます。


市長    法律上で未婚・既婚で取扱が異なることについて、一定の不公平感があると思っています。
      様々な理由から結婚しない状況で非婚の母として子どもさんを育てておられることは事実と確認しており
      ますし、制度上では不利な状況に置かれていることは認識しています。
      以上です。


くれは   その上で、自治体によって受け止めて変えている自治体があります。担当が把握されていないので、
      ご紹介します。

        八王子市、この6月。4月より遡ったり、7月からということで適用されました。八王子の市長、このように
       言われています。「所得税法の改正が筋かもしれないが、国の動きは鈍く、先んずる形で決断した」。
       そして、保育料にみなし適用をされた。

        千葉市長、この方も、所得に応じて金額が変動しますので、控除を受けているかいないかは他の料金
       にも影響してきます。本来は国が制度を改善するべきであり、国に問題提起をしていますが、まずは
       自治体でできることから始めようということで、保育料にみなし、控除後の所得で料金を算定することに
       しました。

        つまり、住民税であるとか所得税はさわらないのです。さわれないのです。だからこそ、自治体の裁量で
       あるみなし控除という形で、、寡婦控除という形で保育料や公営住宅の家賃等々でそれをみない適用で
       軽減している、その自治体があるわけです。国がやるべきだけれども、自治体でできることはやろう。
       そういう思いが伝わっている自治体です。

        国はどうかというと、国の参院の総務委員会において3月25日に、新藤総務大臣がこの問題を取り
       上げた議員に対してこのようなことを言っています。「実情を知れば、お気の毒という思いはある。実態
       を把握してみたい」その上で、「まず自治体や各省が支援制度を設けたりして適切な対応ができるよう
       期待する」と答えているのです。自治体が適切な対応ができるよう期待されているのです。
  
        これまでお伝えしました。不公平感が感じられる、市長。ぜひともその不公平を形に表してください。
       自治体独自のみなし適用、寡婦控除の適用、それを前向きにとらえてください。市長いかがですか。
       再度お願いします。


市長    今、お話がありましたように、自治体は国の法律に基づいていろいろ事業を行っているわけですが、
      一定のそういった状況に置かれているということは私も認識しています。

        しかしながら、婚姻の関係とか、家庭とか、籍を入れるとか入れないとか、いろんな問題について
       国はどういったあり方を今後考えていかれるのかをいろいろ幅広く議論していただくということも大事
       であると思います。まずはそういった国のほうも早く議論を進めていただいて、方向性を決めていただ
       くことが大事かと今かと今は考えています。


くれは    それでは、国に対して意見を言っていただけますか。


市長     このような事実であるということは伝えていきたいと思います。以上です。


くれは    最高裁の決定、ご存じでしょうか?9月5の新聞に大きく取り上げられました。民法の婚内子・婚外子。
       婚外子は相続を半分ですかね。それは違憲だよと。最高裁が全員一致で判断されたのです。国の憲法
       に照らして民法が違憲ですとの判断をしているのです。おりしも、ちょうどこの質問を考えていた時に、
       この新聞を見たものです。同じことじゃあないですかねと私は思います。

        その上で、先ほどは、家庭の問題とおっしゃいました。何度も言います。子ども自身ではどうしようもない
       母の属性、結婚しているかしていないかは、子ども自身ではどうすることもできないわけです。
       それによって、例えば大きな不利益を受ける、学校に行きたくても行けないような状況が生まれていたら
       生まれる可能性があるわけです。最初に言いましたように非婚の母親の総収入は非常に低いというのも
       あらわしているわけです。

        私はこの問題は、なかなか声を上げにくい少数の意見、しかしながら、そこには切実な思いがある。
       そんな風に感じます。ですので、住民と直結している基礎自治体の木津川市には、国の制度の問題点
       ・矛盾点、それを伝えていったいただきたい、先ほどそのような言葉を言っていただきましたので、そう
       した問題の解決を強く国に求めるともに、やはりわたしは木津川市独自でのみなし寡婦控除を進めて
       いくべきと、おもって再度それを申し伝えます。

        では、八王子市の、じゃあどんあくらいの金額がかかるかということをお伝えします。
        八王子市、この6月からされたところですね、人口50万人くらいある市だと思いますけれども、その
        八王子市内の対象者は19人で、控除総額は年間約148万円です。それが多いか少ないか、それは別
        として、それによって不公平感が拭える。八王子市の市長の素早い決断、私はエールを送ります。

         この金額も含めて、今一度木津川市の姿勢が問われるのではないかと思います。
         こんなふうに縷々述べたことをもう一度聞いていただいて、市長はどのなふうに考えられるか、
        改めて聞きたいです。


市長   9月5日の件についても、子どもの権利が認められたということも私も承知しています。
     今回のことにつきましても、婚姻をしていない状態の方が子どもを育てておられる方が制度上で不利な
     状態になられていることについては、認識をしているところです。

      国の方で様々な意見があるということで、今、このような状況になっていますが、日本の国のあり方
     として、婚姻関係とはどういうものなのかとか、やはり家庭を持つということはどういうものなのかとか、
     籍を入れるとか、入れないとか、今いろんな選択ができると思うのですけれども、国の将来的なあり方
     これはやはりひとつ大きな問題ではないかと思います。

      そういった点も、やはり今の事実をとらまえて、国もしっかりと議論をしてそういう状況についてどうして
     いくのかを素早く進めていくということも大切であると思っていますので、私自身もそのような状況である
     ことをしっかりと伝えていきたいと、このように考えています。以上です。


くれは  国に伝えること、それはお願いします。
     家族のあり方、家庭のあり方というところとは別の話だと私は指摘します。
     
      札幌市、千葉市、岡山市、四日市市、那覇市、宜野湾市(ぎのわんし)沼津市、蒲郡市、八王子市も
     このみなし寡婦控除を進めている市です。

      先ほど選択をしているとありましたけれど、これだけをちょっとお伝えします。非婚の母、たまたま非婚に
     なったということもあると思います。結婚を約束していたけれども、途中で約束が守られなかった、また、
     一人で子どもを産む決心をした、それともまたいろいろな相手のところに家族がいた、そんな理由があるか
     と思います。しかしながら、先ほどから何べんも申しているように、子どもの側に立ったところを見ると、余り
     にも、差異がありすぎると思います。

      日弁連では、憲法第14条違反、子どもの権利条約違反、国連人権規約違反であると指摘しているわけ
     です。国に制度改正を伝える。もちろんのことですが、一方では木津川市独自できちんとできることはして
     もらいたい、そんな市であってほしい、行政が自分たちを応援しているんだ、非婚の母に対して、セーフティ
     ネットの一つとしての寡婦控除を実施してほしい、そんなふうに思って、何度もお伝えしていますけれども、
     今一度、国に向けての話ではなくて、木津川市の首長として、木津川市としてどう議論するか、しないのか、
     していくのか、そこを最後に確認したいです。


市長  今の段階ですぐに実施するとはお答えできません。まずは、やはり国全体の大きな問題だと思っています。
     今までの考え方もかなり年月がたっていると思いますので、そのことをしっかり受け止めて、やはり日本全体
     をそういう取り組みができるように強く働きかけていきたいと思っています。


くれは  今日のところは、これ以上議論しても次なる展開にはならないとみえましたので、終わりますが、強く国に
     言っていただくということはきちんと受け止めましたので、またおいおいおはなししたいと思います。