くれは 3問目、「商業地域に高さ規制制限を設けよ」として質問いたします。
 近鉄の高の原の駅前は、三つの行政区が交差し、乗降客も多い地域であります。
当地は、日本住宅公団により、近畿圈の集団的住宅供給を目的としてまち開きがなされました。
 大規模商業施設が可能な商業地域は、奈良市側のみ31メートルの高さ規制が
設けられております。木津川市側は、西と北側に第1種低層住居専用地域が隣接しております。

昨春、病院建設が急濾中止とされた、この当地は、買い戻し特約がつけられておりまして、
建設の着工ができない場合は、2011年5月を最終地点としてURに戻される予定となっております。
 
病院建設中止の正式表明をされた徳洲会病院であります。 この空き地の周辺2辺は
第1種低層住居専用地域に面しており、35メートルの高さの病院が建つことに対して
、その高さに対しての近隣住民の異議の声は大きかったというふうに私は認識しております。
 
2辺が第1種の住専に面している地域で青空天井の建物が建てられるというのは、
府内のみならず、全国的にも珍しいというふうに聞いております。

 そもそも、第1種低層住居専用地域とは、都市計両法第9条にあるように、
「低層住宅に係る良好な環境を保護するため定める地域」でありまして、同法の運用指針
によりますと、「隣接する用途地域の区域において、土地利用の極度な差異を生じないよう
定めることが望ましい」、また「住居専用地域と商業地域とは相互に接して定めないこと
が望ましい」とされております。
 
良好な住環境の保全、良好な町並み景観の創出、そして中高層建築物の建設に
起因する近隣紛争の未然の防止などを目指して、また隣接する奈良市との一体性の
あるまちづくりの意味において、木津川市側の商業地域に高さ制限を設けるべきだと私は考えます。

 そこで聞きます。
1 都市計画地域について、第1種住居専用地域を定める意義は何ですか。
また、指針の「相互に接して定めないことが望ましい」というのをどうとらえられておりますか。

2 商業地域と第1種住居専用地域が隣接している地域は、市内に何力所ありますか。
府内ではどうですか。
 
3 優良な住宅環境を保護・保全する考えはありますか。

4 奈良市がなぜ高度規制をしていると思われますか。
 
そして、5点目、奈良市同様の高さ規制を設けて、エリアとしての一体性をつくるべき


建設部長
  建設部長でございます。
呉羽議員のご質問にお答えをさせていただきます。
まず1点目、「都市計画地域におきまして、第1種低層住居専用地域を定める意義は何か、
また指針の「相互に接して定めないことが望ましい」をどうとらえるか」ということでございますが
木津川市・奈良市をまたぐ平城・相楽ニュータウンの木津川市域の用途地域は、
もともと昭和59年度に、センターソーンは商業地域、住宅地は第1種住居専用地域の
用途に指定されました。
 
その後、地価高騰により、住宅地では、事務所ビル等が無秩序に進出し、住環境を
悪化させる反面、居住人□の流出・空洞化といった大きな社会問題になってきました。
 
このような社会環境の多様化に対応するため、主として住環境の保護と新たな市街地の
形成を目的として、平成8年度に住居系用途をきめ細かい用途地域に変更する法改正が
行われました。
 
法改正では、第1種住居専用地域は、第1種低層住居専用地域、あるいは第2種低層住
居専用地域への見直しとなりますが、平成8年度当時におけるこの地域が戸建て住宅と
しての土地利用が行われていたことから、この区域内における低層住宅のための
良好な住居の環境を保護するための地域として、第1種低層住居専用地域に見直しが
行われたものでございます。
 
都市計画運用指針においては、住居系用途と商業系・工業系用途とは「相互に接して
定めないことが望ましい」と定められておりますが、ご質問の土地につきましては、
幅員約22メートルの府道相楽台桜ヶ丘線と幅員約1 3 。 6メートルの市道木374号
相楽台1号線が整備されており、これらの都市施設が緩衝的な役割を果たしており、
住環境に配盧されたものと考えております。

 2番目の「商業地域と第1種低層住居専用地域が隣接している地域は市内に何力所か、
府内は」ということでございますが、木津川市において商業地域は4地域ございます。
 
その中で、住居系用途に隣接している地域は、平城・相楽ニュータウン、木津駅前地区、
木津南地区の3ヵ所でございます。
 
第1種低層住居専用地域に隣接する地域では、平城・相楽ニュータウンと木津南地区
の2ヵ所が該当いたします。

 京都府において商業地域が第1種低層住居専用地域に隣接する地域は、木津川市の
平城・相楽ニュータウンと木津南地区の2ヵ所ということで確認をしております。
 
3番目のご質問の「優良な住宅環境を保護・保全する考えはあるか」ということでございますが
、都市計画とは、都市の健全な発展と秩序ある整備を図るための土地利用、都市施設の
整備などを行い、農林漁業との健全な調和を図りつつ、健康で文化的な都市生活及び
機能的な都市活動を確保するため、適正な制限のもとに土地の合理的利用が
図られることを基本理念としております。
 
この基本理念に基づき、本市といたしましても、土地の合理的利用を図りながら、住宅環境
の保護・保全に努めてまいります。平城・相楽ニュータウンと木津南地区の第1種低層
住居専用地域内における住環境につきましては、都市計画法及び建築基準法に基づい
て適切に保護・保全に努めてまいります。

4番目の「奈良市がなぜ高度規制をしていると思うか」ということでございますが、平城・相楽
ニュータウンは、木津川市と精華町及び奈良市にまたがって開発された、
計画人口7万3、000人の約613ヘクタールの地区でございます。

同地区のセンターソーンは近鉄高の原駅周辺に位置しており、木津川市と奈良市にまたがっ
て地区及び周辺地域の商業核を担っております。用途地域などの都市計測については、
各都道府県及び市町村の都市計画マスタープランに沿って決定を行います。
 
同地区は京都府域・奈良県域にまたがる地区でございますので、京都府、奈良県、奈良市、
木津川市、精華町において同地区の事業計渕で示された土地利用計画に基づき、
用途地域などの都市計画を決定いたしました。
  
京都府と奈良県という行政単位が異なるため、都市計圃においてもそれぞれの特有性や
地域性を鑑み、まちづくりの考え方には違いがございます。奈良市の高度地区の指定は
、奈良県の「高度地区運用ガイドライン」により自然的・歴史的景観の保全、地域の活性化
対策を考慮しながら、調和のとれた景観形成をもとに指定されます。
  
奈良市には、平城京跡や束大寺といった日本を代表とする神社仏閣が多数存在しており、
その歴史的眺望景観を保全する必要性から、すべての市街化区域において8種類の
高度規制を行っておられます。
 
 よって、平城・相楽ニュータウンの奈良市域の商業地域においても、この「高度地区運用
ガイドライン」基づき、都市拠点として重点的に活性化を図っていくべき地域や主要鉄道周辺
などの土地の高度利用を図るべき地域として、31メートルの高度地区規制を決定されております。
 
 最後に、「奈良市同様の高さ規制を設けて、エリアとしての一体性をつくるべきでは」
というご質問でございますが、奈良市においては、31メートルの高さ制限を設けられて
おりますが、木津川市においては、用途地域が商業地域であるため、高さ規制は設けておりません。
  
市といたしましては、高の原駅前を木津川市西部地域の商業核として商業・ 業務・サービス
などの複合機能を図る地区に位置づけておりますので、このセンターソーンに高さ制限規制
を設定する考えはございません。
  
議員ご指摘の「エリアとしての一体性」につきましては、景観の面から大切なことであると
考えておりますので、今後、センターソーンでの建築計画がされました場合には、景観に
配慮した計画となるように誘導してまいりたいと考えております。
以上でございます。


くれは
 低層住宅のための良好な住居の環境を保護するため、この見直しが行われたという、
そういう位置づけのものだということが確認できましたし、第1種住専と商業地域が
隣接しているのが、京都府内に木津川市の2ヵ所しかないんだということも明らかになりました。
それほど珍しい区域が隣接しているんだという問題だというふうに思います。
 
だからこそ、今回の病院建設に当たって、高さのことについて大きな疑問視というか
異議があったんではないかというふうに思います。
  
やっぱり、そこは協議の中から出てきた教訓をしっかりと生かしていただきたいというふうに思います。
私は先日、12月5日に大阪の箕面市で開かれた「全国景観と住環境を考える全国ネットワーク」
の全国集会に行ってまいりました。ここでは、いろんな紛争事例が発表されておりました。
高層マンション建設紛争とか、京都市には水族館は要らないとか、
ポニョの例の鞘の浦の裁判事例なんかも報告がありました。
  
中でも、やはり建物の高さ規制に関する報告が多くあったわけですが、そこでの報告の中で
言われたことが、建築紛争のほとんどは現行法の運用政策の内容次第で解決できると、
すなわち建物の高さ制限を十分にすれば、大部分の紛争は起こらないとの指摘がありました
建築紛争が発生してから、住民の都市計画のまずさに気づくということがほとんどで
あるというふうにも指摘されておりました。

まさしく、私は木津川市のこの商業地域である高の原駅前の商業地域がその位置づけに
なるんではないかなというふうに心配するわけです。容積率・建ぺい率で縛られているとはいえ、
木津川市の場合は奈良市と同じ建ぺい率・容積率です。商業地域が800%、400%です。
奈良市は、同じ1団の土地に31メートルという規制をかけている。

では、具体的に今後、例えばエリアとしての一体性については、「景観に配慮した計画となるよう
誘導してまいりたいというふうに考えます」とありましたが、どういうふうな一体性をもたらす
ということですか。高さ規制はしませんよと言っているのに、どういう一体をもたらして景観
に配慮したものという具体策をお聞かせください。


建設部長  
  再度のご質問にお答えいたします。都市計画におきまして、それぞれの地域におきまして
、地域性をかんがみ、まちづくりの考え方は違うというふうに思っております。
  
今のご指摘の用途の関係でございますが、用途地域などの都市計画制限に適合するとともに、
景観委員会というのがございますが、その了承が得られました建築計両であれば、
市としても認める方針でございますが、建築指導におきまして、建築の建物の配置、
また住宅に与える影響を配慮した計画となるよう指導をしてまいりたいというふうに考えてございます。
 

くれは  それぞれのまちによってまちづくり、景観、違う、異なります。
しかし、住んでいる住民は、そこに、1団に住んでいるというところをぜひとも考えていただきたい
というふうに思います。 もし、こういう「高さ規制の条例をつくってよ」みたいな動きが出てくるか
もしれませんので、そのときにはしっかりと受けとめていただきたいというふうに指摘して、
次の問題に行きます。