くれは  2問目、多重債務者問題についてしてお聞きしたいと思います。
  新聞・ニュースなどでもアイフルの問題等にぎわしていましたし、多重債務は
  大きな問題になっています。そもそも多重債務者とは、サラ金や信販会社などの数社
  から借金をして返済に行きづまった人のことをいいます。

  全国で約2000万人に達したといわれています。
  そして、平成15年度の自己破産申し立て個人の件数は24万件を超え過去最高だと
  いわれています。国民の500人に一人が自己破産している現状が見えてきます。

  しかし、サラ金の広告やCMをマスコミが大量に流していることもあって、この問題の
  マスコミ報道は抑制されているように私は感じます。

  法的な手続きを知らないまま、また弁護士会や司法書士会への心理的な「敷居の高さ」
  もあって、悩みを抱え込んでしまう人が多いのがこの多重債務問題をより深くしていると感じます。


  また、若者が頻繁に電話などで勧誘されたり、
  無人機で気軽にカードが作れることからも被害は増大しています。

  議会の中でも意見書をあげるという動きも出ていますし、全国的にそれぞれの
  市町村が声を上げていますし、「金融庁の貸金業制度に関する懇談会」
  グレーゾーン廃止を打ち立てられています。

  当然これらの問題は、本人の過失の部分がないとはいえませんが、
  むしろそれよりも大きな社会的な悪であり犯罪的な性質の部分が強いと私は思います。

   そこで、お聞きします。真に悩んでいる人を救済するのが行政の努めだと思いますので、
   お聞きします。

  1 町当局は、自己破産した人の数を把握していますか?
  2 町民から多重債務に関する相談を受けた件数やその対応はどのようにしていますか?
  3 多重債務問題が解決すると町にとってのどのようなメリットがあると思われますか?
  4 多重債務問題とその解決方法を広報してはどうですか?


  経済建設部長
  1点目の、町は、クレジットやローンの使いすぎで返済が困難になって苦しみ、
  自己破産した人の数を把握しているかということですが、全国的に長引く経済不況の中で、
  事業の失敗や収入減、生活苦、低所得などを理由に、クレジットやサラ金、商工ローンなどを
  利用して多重債務に陥る会社員や主婦、また年金生活者、中小企業の零細事業者などが
  増加して、自己破産申し立ても増え続けているとことろです。

  しかしながら、多重債務の問題は、借金という個人の基本的な生活管理にかかわる問題
  であり、他人に相談できないところから、他人に知られたくないといった悩みを抱えて
  おられる方も少なくありません。

  自己破産申し立てをしているのは、実際に存在している氷山の一角にすぎません。
  自己破産した方の本町への連絡は、本町に本籍を置く方が対象で、裁判所から本町に
  通知が来ています。当該通知については、各戸別に保管事務を行っています。
  業務上、諸法に基づいて各個人の欠格要件の有無を資格審査するのが目的で、
   数を数えて常に把握しておかねばならないものではないというふうに考えています。

  2点目の、町や関係機関は町民からの相談を受けた件数やその対応はどうしているのか
  ということですが、この問題に限定したと町民からの顔の見えない電話相談は数件ありました。
  プライバシー問題もあり、名前を名乗られていないのが実態です。
   電話相談を受けた場合、それぞれ適切な対応をしていますが、件数は把握できていません。

  3点目の多重債務問題が解決すると町にとってのメリットは、社会的弱者になられた本人
  の社会生活への展望や生きがいにもつながり、町全体が社会福祉の潤いと活力に
  満ちたものになると考えます。
  
  4点目の多重債務問題と解決方法を広報してはについて、もう少し知識があれば
  多重債務にならなかったということは確かにあると思います。
  債務問題は、サラ金の広告や無人契約機が多く出回る、わが国においては誰もが
  多重債務者に陥る危険性があります。債務にかかわる立法及び金利枠には、
  一つ目として利息制限法による制限金利、二つ目として出資法による上限金利、
  三つ目として貸し金業規正法等があります。

  利息制限法には、刑罰規程が科せられていないため、出資法による上限金利すれすれ、
  いわゆる議員からもありましたグレーゾーンの範囲内の金利営業の高金利で営業している
  事業者が多く見られます。
  
  例えばサラ金の利用者のどれほどが利息制限法を越える金利を支払う義務がないこと
  を認識されているかは、多くはそのことを知らずに約定の金利を払わなければならないと
  思い込んで違法な金利を支払い続けていると存じております。

  しかしながら、債務者を守る上で債権者の営業に対する取締りはなかなか難しいことも
  聞いています。他方、特定商法取引法や月賦販売法などの消費者保護の法律は、
  クーリング・オフの権利を消費者が現実の行使できるよう、契約書面に明記することが
  義務づけられています。

  いずれにしても、相談窓口を知らない多重債務者が悪質な業者に食い物にされないため
  にも、未然の被害防止、被害軽減の観点からも、広報において消費者問題を含めて
  「多重債務に注意」「解決方法は、弁護士会に相談を」というような記事を掲載していきたい。

  一方広報に毎月掲載している法律相談、また困りごと相談の開催予定日も利用していただく
  のも一つかと思います。
 
 
くれは
  広報するといわれたので、言葉だけでなく知ったから、知ることによって違法である
  グレーゾーン金利を、返済が低く抑えられることも含めて、内容を含めた広報にしていただき
  たい。

  自己破産した人に数は数えるものではないといわれました。確実に木津町でも裁判所からの
  連絡により自己破産された方もおられるし、名乗らないけど相談された方もあるわけです。

  聞くところによると、銀行のATM機などを使って簡単に返済できたり、
  借り入れたりと銀行とサラ金が提携しているのか自分の預金かと錯覚してしまい、
  どんどんローンが膨らんだという被害者の声も聞かれますので、
  ぜひ実際に困っている人がいると認識された上で、先に困らないために、
  若者も被害にあわないためにという思いを込めて広報をしっかりしていただきたいと思います。

  借りた人の自己責任というのは簡単ですし、そういわれる人もいます。
  現状は所得の二極化が広がる社会の影響もあり、 行政の窓口相談などに駆け込む人は、
  氷山の一角だと思われます。どうしようもない状態になる前に、まず相談してほしいし、
  そのことを広報すべき。

  6月初めに、「金融庁の貸金業制度に関する懇談会」では、グレーゾーンの廃止の方向を
  打ちたてましたので今後の推移を見守りたいと思いますが、そのような状況だからこそ、
  大半といわれているグレーゾーン金利での貸付に対しての情報の提供が今こそ望まれます。

  任意整理や特定調停の手続き、その解決方法、自己破産とは何かも含めて、誤解されている人
  もあると思いますので、丁寧な広報をしていただきたい。



経済建設部長
  くれは議員が言われているように、世間を騒がせている大きな問題と思っています。
  広報する場合についても、その方々の気持ちになって広報を真剣に考えていきたい。

  知識があればもう少しこうならなかったということもあるので、提供していきたい。
  電話での相談も名前がわからなく、引き続きの継続しての相談を受けることができない。
  それぞれについては適切な処置をしていると思っています。
  いずれにしても個々についても、工夫をこらして今後も引き続きやっていきたい。ご理解を。


くれは
  借金が次に何を起こすかというと、例えば愛知県では、借金など経済生活問題を苦にして
  自殺した人が311人、借金返済を動機として犯罪が480件に挙がったと言われています。
  離婚、自殺、犯罪等の原因になり得ますので、ぜひとも弱者という言葉が適当かどうかは
  別としても、そのあたり広報しっかりしてほしい。

  メリットについては、ある弁護士の言葉ですが、多重債務の過払い金を回収することで
  滞納税の納付ができたり、生活保護世帯が減少したり、貧困による犯罪の予防が図れると
  認識もありますので、行政としてとるべき住民への救済というか、
  町にとってもメリットがあると思いますので、よろしく。